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肯定の校庭

自己肯定感の末期とは
他の、存在を否定することで、
からくも自己を保ち続けながら
来ることのない雪どけを待つような
一種の可憐さを持っており、
いわゆる旧日本帝国も
戦争の中期から後期にかけては
肯定をめぐる戦いに終始して
五十六年余りで国体の何らかを、終えた。

テニアンやビルマにも春は来ず
桜は咲かなかった。

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