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コンセプトより大事なもの

コンセプト(企画)の良し悪しは
コンテクスト(連想)の強さに比例する。


例えば、
ある都心のラーメン店では
つけ麺ならぬ「つけ肉」という商品が
共感を呼んでヒットした。


つけ肉というコンセプト(企画)の中には
人の頭の中で、下記のコンテクスト(連想)が作用する。


1.「高糖質のつけ麺を食べると太る」

2.「でも、あのコッテリ感を味わいたい」

3.「そもそも炭水化物のない昼食は選択肢が少なすぎる」

4.「サラダチキンは飽きた」

5.「いきなりステーキは行列すぎて昼休みがなくなる」

6.「つけ麺の麺を肉に変えられる?」

7.「麺が肉なら低糖質なのでOKだろう」

8.「お昼はここにしよう」


このように、
コンテクストの強さが
人の意思決定を後押していく。
(その中には、7.のように人が都合よく
意味付けするものも含まれる。)


反対に、人の頭の中で連想させられなければ
コンセプトになり得ず機能しない。


コンセプト(企画)の決定は
コンテクスト(連想)があるかないかで決める。

市場に私情をはさまない

商品やサービスが売れないのは
市場のせいではなく
私情のせいである。


自己都合を盛り込むほど
顧客の喜びは遠のきやすく
共感は冷めやすい。


市場と私情は
分けて考えるところから
プロジェクトをスタートさせる。

絵の前に言葉をデザインする

お店のメニューに載せるコーヒーを


「ホットコーヒー」と書くか。


「プレミアムブレンドのドリップコーヒー」と書くか。



同じ商品や素材でも伝わり方と価値が変わる。



絵をつくる前に
言葉からデザインする。

男子を必要としなかった国

世界史の中で
日本に宦官が存在しなかったことは
奇跡らしい。


これは
「女性の能力が高く、王宮の運営に
去勢した男子を用いる必要がなかったことに
他ならない」と、
作家の司馬遼太郎も書いている。


千数百年前からこの国の民族的中枢は
女性によって運営されている。

広告は見られていない

人は、1日に3000~ 4000の広告メッセージ
(これにはテレビ欄の番組紹介を含む)を
受けていると言われているが、
ほぼ印象に残っていない。


顧客社内の会議でも
「今日 ご覧になって印象に残っている広告は?」と
お聞きすると、
ほとんどの人が答えに窮する。


朝のテレビ。
出勤時の駅内広告。
看板。
ネットバナー。
SNS。
デスクに届くダイレクトメール。


これらは「目」に入っている。
しかし「記憶」には残っていない。




その上でどうするか。




僕らの仕事は単に絵を売ることではない。


この現実をしっかりと説明し
解決策を示すところから、
デザインのサービスが始まっていると思う。

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