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ZECCA 門弟案内

どこにいても、
最後に頼れるのは
自分の腕じゃないですか。

「腕を磨きたい。」

そんな本気の、若いのを引き受けます。

[門弟概要]
●対象 : 北陸3県(石川・富山・福井)
●年齢 : 20代迄
●勤務地 : リモート or 小松本社・富山支社
●職種 : グラフィック、ウェブ、ムービー
※実務経験者優遇
●勤務時間 : 月〜金 8:00〜17:00
※あとは好きに腕を磨いてください。
●給与 : 実績、面接の上決定
●応募期間 : 20年7月末迄
●連絡先 : mori@zecca.jp

新型の時代、
新型ナントカに勝てるのは
新型のあなただけ。

美しさとは何か

京に、花
富士の山に
佳人、瀟洒

遠望ほど
美しいものは
美しい。

カウンター越しの大学

地元には、白暖簾が美しい
老舗の鮨屋がある。

その、学びが始まったのは
二月の初旬頃で、
チャーター機騒動のニュースを
店のテレビで見ていた。

三月末は、
本来であれば歓送迎会で忙しいはずだが
お客としてカウンターに座っているのは
自分だけになった。

五月上旬、
「しばらく休みます」の張り紙は、
青空の下なのに
雨で濡れたように見えた。

言葉で表せない数ヶ月間、
カウンターに立つ板前の方々からは
大切なことを学んだと思う。

先の見えない状況下で、
店に似つかわしくない若造が訪れても
いつも笑顔で迎えてくれる。
そこには、
あせりも、あきらめも、
あからさまな隙もない。
厳しい客入りのなかで
鮮度が落ちたものは一度も出てこない。

ある店で、
テイクアウトの弁当を買った。
なにか、少し古いものが混ざっていると感じた。
ある店では、
殺伐とした空気が流れていて、居ずらかった。
お店の方から伝わってくる
心情のように思った。

これが、この数ヶ月間の“普通”だと思う。
冷静にいられるはずなんてない。
だれでも私事を優先する。

ただ、そのカウンター越しの大学だけは、
どんなに世界が崩れようと
職人側の世界は崩さなかった。
仕事は私事の対極にあることを
改めて教えられた。

いま、常連客で
にぎわいが戻ってきている。

2年間のテレワーク

「会社はサイトの中に」。

ZECCAには、2018年の設立当初から
アンオフィスの考え方があり、
世に言うテレワークで運営されている。

※テレワークは
電話ワークという意味ではなく
telecommutingの派生語で、
業界ではリモートワークと呼ぶ。

当社のような業種ということは
大前提としても、
この働き方には
大きなメリットとデメリットがある。

メリットの1つめは
『がんばりや態度で仕事をはかる必要がない』
ことがあげられる。
データで送り合うデザインの精度だけが
信頼と評価の指標となるので、
常に緊張感が保てる。

メリットの2つめは
『それ以外は好きにしていい』
ということ。
いつ食事をとろうが遊びに行こうが
自分のペースで毎日を過ごせる。

もちろん、通勤時間の短縮もメリットには入るが
時間の活かし方は人それぞれなので、
大分すると上記の2つ。
ほかにも目に見えない良いことは
たくさんあると思う。

では、デメリットは何かというと
これは1つしかない。

水道光熱費。

春という季節の良いタイミングもあり
まだ話題になっていないが、
会社と社員の関係性が
ややもするとデリケートになる。

もし、フルタイムで自宅勤務すると
日々の電気代や化粧室で使う水道代、
また、夏のエアコン・冬の灯油代は
驚愕的に社員負担が増える。

双方が喜べるルール作りは、
前もってしたほうがいい。

以外に、線引きが難しい。

2070年

これは、いつごろ建てられたビルであろう。
半壊したがれきの下で、祖父は孫に語りかけている。

「50年前まではな。
好きな仕事をして、好きなものを食べ、
飛行機に乗って遠くに行けたんだ」

「ヒコーキってなに?」

「ふつうの人が乗れた、空を飛ぶ乗り物さ。
ほら、じいちゃんのも食え。
きのう獲った自然薯だ。」

「え、あの光線をだす乗り物で、遊びに行けたの?」

「そうだ。戦いだけの乗り物ではなかった。
海の向こうにな、自由に行けたんだ。
じいちゃんもな。若い頃よく乗ったんだ。
人類が1番幸福だった頃かもしれんな。
さあ、食ったら寝ろ。
あすも食い物を探しにいくぞ」

「待ってよ。回線を切らないと、
また革命戦線の兵士に襲われちゃうよ」

2070年。
きょうも澄みきるように空は蒼く、
焼け焦げた街の風景は変わらない。
たしかこのあたりは
大きな電波塔があったところだと思う。

50年前のウイルスの蔓延で世界は一変した。

口火を切ったのはアメリカだったが、
この国はすでにない。

世界で最も多く死者を出した怨嗟と
経済を取り戻す大義のもと、
前例のない規模の軍需生産を始めた。
いつの時代も戦争は金になる。

アジア連合以前の中国、そして中国寄りの国に
言い掛かりをつけて攻撃を開始した。
引きづられるかたちで
同盟国も参戦せざる負えなかった。

ウイルスに打ち勝った平和な“はず”の空のもと、
あらゆる国家を巻き込んだ大戦が始まった。
恨みと賠償を要求する戦いで
人類は自ら後退した。

地球は、何もしていない。

あの当時、本来の敵であるウイルスに
勝ったのだけは間違いない。

医学の力は、
平穏な日常を取り戻すことだけを望み、奮闘し、
2020年から始まった戦いに勝利した。
ワクチンと特効薬の開発に成功した。

最悪の飢えが原因で、
暴動・略奪を起こす失職者があふれた街には
「薬の開発に成功した」というニュースに歓喜したが、
食糧の争いに歯止めは掛からなかった。

もちろん、機能不全を起こしていた政府にも
一筋の光が差していた。
混乱の当初は、まだまだ慣れきった
「あたりまえの幸せ」を維持するために、
収入を失った人々や企業に給付金を出したが、
もちろん長くは続かなかった。

当時、給付金は税収から成り立っていた。
税の原点は穀物であって、配りきれば枯渇し、
疲弊した企業からの税収は途絶え、
やがて限界を迎えた。

理由はわかっている。

このウイルスは、世界最古の仕事までを奪っていた。
売春と占いであろう。
接触が出来なければ仕事にならず、
事前に占えねば仕事にならない。

人類はあまりにも大きな転換を迎え、
それに備えた人間は少なかった。
「他人のせい」に忙しかった。

そして、
「いつか収まるだろう」
「だれかが何とかしてくれるだろう」という
楽観気分はつぎつぎと打ち砕かれ、
あの春から徐々に追い詰められた。

人は幸福に慣れやすいが、苦難には慣れにくい。

特効薬ができたというニュースで
世界に安堵の様子が見られたが、
本当の最悪は、安心のあとに訪れた。

誰かが、こう言い出してから地獄がはじまった。
「悪いのは誰だ?」

この手記は2070年の4月、
いつごろ建てられたかわからないビルの
がれきのふもとで書いている。

「新たな正義」を名目に、
革命戦線の兵士が
略奪のためにうろついている。

このような50年後に、
2020年のあなたがたが来る必要はないと思う。

ただ、来るかを来ないかを選べるのは
「他人のせいにしなかった」
意思のある人だけだ。

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